- 歯列矯正だけで受け口・しゃくれはどの程度治るの?
- 外科手術なしで治療した人の元々の受け口・しゃくれ具合って?
- 外科手術なしを選んで後悔は?
受け口・しゃくれの治療といえば、あごの骨を切って下あごを引っ込める外科手術ですよね。
骨格そのものを変えるので、しゃくれ具合が劇的に改善したという人がたくさん。
さらに保険適用になれば金銭的な負担が軽くなるメリットも。
ただ、全身麻酔で手術するのは怖いし、2週間程度の入院が必要と、負担が大きいのも事実。
『後遺症も心配だし、できれば手術なんてしたくない…』
という人も多いのではないでしょうか。
この記事では、 外科手術なし、歯列矯正なしで反対咬合を治療している私が、
- 元々の受け口・しゃくれ具合
- 歯列矯正だけで受け口・しゃくれはどの程度治るのか
- 外科手術なしを選んで後悔は?
をお話します。
なお、この記事を書いている時点で私はまだ矯正治療中ですので、記事内容は随時アップデートしていく予定です。
目次
外科手術なしを選んだ私の受け口・しゃくれ具合
外科手術なし、歯列矯正だけで受け口を治すことにした私ですが、どの程度の受け口・しゃくれ具合だったのか。
上の画像は私が矯正治療する前、奥歯を噛み合わせたときの横顔のシルエットですが、やはり少し下あごが前に出てますね。
もし私が芸能人だったとしたら、ネット上の「しゃくれ芸能人〇選」「男性しゃくれ芸能人ランキング」の一人に選ばれるでしょうw
日本矯正歯科学会の矯正歯科治療の診療ガイドライン 成長期の骨格性下顎前突編によると、受け口(反対咬合)の原因は大きく2種類。
あごの骨そのものに原因がある。上あごが小さい、下あごが大きい、または上あごそのものが引っ込んでいる、下あごそのものが前に出ているなど。
歯そのものや歯並びに原因がある。奥歯を噛み合わせようとすると先に上下の前歯が当たるため、下あごを前に突き出して反対咬合にしないと噛めないなど。
反対咬合は、これら2つの原因がミックスされて起きている場合が多いとのこと。
で、やはり私の反対咬合にも両方の原因がありました。
① 骨格性反対咬合
まずは私の受け口の原因を骨格の面からみてみます。
矯正歯科での検査結果によると、私のあごの骨格は、
- 上あごがやや小さめで位置は正常
- 下あごが標準的な大きさで位置が前突ぎみ
そもそもあごの大きさの点で、上下のバランスがちょっと悪いみたいですね。
下あごは少し前に突き出ているものの、まあ正常の範囲内ではあるとのこと。
ですので「①骨格性反対咬合」に少し当てはまることになりますね。
② 歯性・機能性反対咬合
次に私の受け口の原因を機能(噛み合わせ)の面からみてみます。
私は子供のときから反対咬合と診断されていました。
ただし叢生がひどいため、▲上の画像のように反対咬合と正常咬合が入り乱れています。
リラックスした状態から歯を噛み合わせようとすると、▼こんな感じで最初に前歯が当たってしまいます(切端咬合)。
▼そのため下あごを「よっこらしょ」と少し前に突き出して噛み合わせる感じ。
つまり、「②歯性・機能性反対咬合」でもあると言えます。
受け口・しゃくれの度合いは「軽度」
上の図は、
- 一番奥の奥歯(第一大臼歯)の噛み合わせ位置
- 噛み合わせの深さ
の2つの要素と顔貌(かおかたち)の関係を表したもの。顎矯正・口腔外科も備えた医院、仙台青葉クリニックより画像を引用させていただきました。
この図によると、噛み合わせたときの上下の第一大臼歯の位置関係が、
- 上側が前に出ていると出っ歯気味に
- 下側が前に出ているとしゃくれ気味に
また噛み合わせの深さはあご(顔)の長さに影響していて、
- 噛み合わせが深い(過蓋咬合)と顔が短く
- 噛み合わせが浅い(開咬)と面長に
あくまで傾向、絶対こうなるというわけではないですが。
で、私がどのあたりにいるかと言うと、
色を付けた四角の中にいれば「正常」の範囲内。
私はオレンジの丸印。なんとか正常の範囲に入っていますねw
- やや下あごの前突傾向があるものの正常の範囲
- 噛み合わせが浅く、あご(顔)が長め
つまり、受け口・しゃくれ度合いは「軽度」だったと言えます。
外科手術なし歯列矯正だけで受け口・しゃくれは治る?
▲上の画像は私が受ける反対咬合の治療をアニメにしたもの。(実際の動きはもっと複雑です)
簡単に言えば、上の前歯より前に出ている下の歯を、口の奥側に傾ける感じ。
ですので私の場合、受け口(反対咬合)そのものは歯科矯正で治ります。
では下あごのしゃくれ具合はどうなるのか。
この記事を書いている時点ではまだ矯正治療中なので、以下は私がビフォー&アフターをシミュレーションしたものですが、
▼ビフォー
▼アフター
ぱっと見なにも変わってませんねww
先程お話したように、私は歯を噛み合わせるとき最初に前歯が当たるので、下あごを「よっこらしょ」と少し前に突き出しています。
歯列矯正で反対咬合が治ると、この「よっこらしょ」が不要になるので、噛み合わせた時の下あごの前突は少しだけ解消されます。
ただし骨の大きさや位置関係そのものは変わらないので、上のシミュレーションのとおり見た目の大きな変化は期待できません。
受け口最強期間
▲「受け口最強期間 術前矯正」でググると出てくるこんな画像。
受け口最強期間とは
受け口最強期間は、外科手術で受け口・しゃくれを治療する人たちの中でよく使われているワード。
多くの外科手術では、あごの骨を切った後に上下の歯がちょうど噛み合うよう、あらかじめ歯並びを調整しておく術前矯正を行います。
で、この術前矯正では、これまで以上に受け口の度合いが増します。
▲下の動画でいうと00:10あたりになりますが、術前矯正が完成する頃には受け口がピークに。この時期を「受け口最強期間」と言っているんですね。
矯正だけの治療でも「受け口最強期間」がある
▲私が歯列矯正を始めて1か月半後の横顔のシルエットですが、受け口の度合いが増していますねw
受け口最強期間は、外科手術で受け口・しゃくれを治療する人たちの間で使われているワード。
でも、私のように外科手術をせず歯列矯正だけで治療する人にも受け口最強期間があります。
受け口を歯列矯正だけで治療する場合、反対咬合の解消には上の歯が下の歯を乗り越えなくてはなりません。
反対咬合→正常咬合の過渡期は、奥歯を噛み合わせようとすると、入れ替わろうとしている上下の前歯がすぐにぶつかります。
なので、そのままだと奥歯を噛み合わせることができません。
じゃあどうやって奥歯を噛み合わせるかというと、今まで以上に下あごを前に突き出す必要があります。
私の場合は矯正が始まって1か月半後にこの「受け口最強期間」に突入しました。
この期間は、コロナ禍でマスク生活の最中でしたので外見はさほど気になりませんでしたが、とにかく発音がしにくいw
特にサ行・タ行がやばかったですね。
『おちかれさまでしゅ』みたいなw
外科手術なしで受け口治療して後悔は?
まだ矯正が続いていますので、外科手術しなかったことを後悔することになるのかどうかは正直まだわかりません。
そのため、以下はこの記事を書いている時点での気持ちです。
歯並びが治せればそれでいい
私が外科手術なしで受け口を治療することにしたのは、歯並びが治せればそれでいいと思っていたから。
先ほどお話したとおり私の「しゃくれ具合」は軽度だったこともあって、自分自身は横顔のシルエットの悪さをさほど気にしていなかったんですよね。
むしろ一番気にしていたのはキタナイ歯並び。
なので、見た目の面では『このキタナイ歯並びを治したい!』という気持ちが強かったです。
さらに重度の歯周病と診断され、医者から「このままだと歯が次々と抜けますよ!」と言われたアラフィフの私。
そんな私の歯列矯正の目的は、
- いかに歯周病の進行を止めて自分の歯をキープできるか
- いかにメンテナンスを楽にできるか
といった部分もかなり大きいです。
関連記事 40代後半アラフィフ男が歯並びを矯正することにした3つの理由
外科手術をしなくても、キタナイ歯並びが治せて、歯周病で歯を失う将来のリスクも下げられる。
歯列矯正を決断したときの私にとっては、これで十分だったんですよね。
まあ、横顔のしゃくれ具合まで気が回っていなかったというのが正しいかもw
矯正だけではしゃくれ具合があまり改善しない
カウンセリングの際、矯正歯科の先生に「外科手術なしで!」と宣言した私でしたが、その後いろいろ調べているうちに、
- 手術を選べるならそっちの方が良かったかな…?
- もっと比較検討して納得感を高めたかったな…
という思いがずっと付きまとっていますw
それは、歯列矯正だけだと下あごの前突(しゃくれ具合)が劇的には改善しないから。
この記事の最初のほうでお話したとおり、私は骨格性・機能性の両方の原因で受け口(反対咬合)になっています。
そのうち機能性の原因については歯科矯正で解消されますが、骨格性の原因(上あごがやや小さめで下あごが前突気味)は手術でないと治りません。
ですので、しゃくれ具合が軽度だといっても、実際に矯正が終わって装置を外したときに自分の横顔をみてどう思うのか…
『キタナイ歯並びが治せて、歯周病で歯を失う将来のリスクも下げられれば満足!』
と矯正を始めたわけですが、人間とは欲深いですねw