- 歯科矯正は必ず歯を抜かなければならないの?
- 歯科矯正では普通どの歯を抜くの?
- 歯周病や虫歯でダメな歯があるときはどうするの?
歯並びの矯正を考えている人の不安のひとつは抜歯ですよね。
この記事では、
- 矯正するときに抜歯した人の割合
- 矯正するときに通常抜歯対象として選ばれる歯
- 重度の歯周病に侵されたアラフィフ男である私の実例
をお話しします。
目次
矯正で抜歯した人の割合は56%
銀座矯正歯科の調査結果によると、歯並びを矯正するときに抜歯をした人の割合は55.8%。
回答者の矯正内容がどの程度だったのか明らかではありませんが、中には前歯だけなど軽度の矯正をした人も含まれていると推測されます。
加えて「歯を抜かない矯正」というキーワードをネットでよく目にしますので、この55.8%という数字から、意外と抜歯している人が多いという印象を持ちました。
矯正のために抜かれる歯は一般的に「4番」と「親知らず」
矯正のために抜かれる歯として選ばれることが多いのは「第一小臼歯」と呼ばれている4番目の歯。
矯正のために抜歯した人の体験談をネットなどで見ていると、4番を抜いている人が圧倒的に多いですね。
もちろん中には歯列や歯の状態によって別な歯を抜いている人もいますが。
で、なぜ4番が抜歯する歯として選ばれるかというと、
第一小臼歯(4番)は、抜歯する対象として選ばれやすい歯です。1番から3番の歯は固有の形状をしている一方、4番と5番は似ており、片方が無くなっても機能的にはほぼ影響がないからです。
葛西モア矯正歯科
なるほど、4番を抜いても、物を食べたりといった口の機能への影響が小さいから。
また、私がネット上で調べた限りでは、ほぼ全員が親知らずを抜いています。
ご存知のとおり親知らずは大人になってから生えてくる8番目の歯。
親知らずは、
- 奥歯の咬み合わせに参加していないことが多い
- 斜めや横を向いていると、歯茎が腫れたり他の歯を押して歯並びを乱す原因になる
といったことが良く知られていますよね。
このように矯正のための抜歯では、
- 4番(第一小臼歯)
- 親知らず
この2か所を抜くことが一般的と言えるでしょう。
歯周病に侵された40代後半アラフィフ男の抜歯はトリッキー
私は矯正を始めるにあたり、7本の歯を抜くことになりました。
重度の歯周病に侵されたアラフィフ男の私には、
- グラグラしていて矯正に耐えられない歯がある
- 虫歯で失っている奥歯がある
といった制限があります。
そのため先ほどお話した一般的なパターンとは異なり、抜くことになった歯の箇所が少しトリッキーですw
若い人たちのような100点満点の矯正とはいかないため、現状でできる最も合理的な選択だったと言えると思います。
上あご
まず上あご。
上の画像のオレンジにマークした歯が、矯正にあたって抜いた歯です。
右は普通どおり4番を抜いていますが、それに対して左は2番と左右非対称です。
左の2番はご覧のとおり他の歯と完全に重なって生えています。
そのため長年メンテナンスが行き届かず、歯周病で歯の根元の露出が進んでしまい、残念ながら使えないとのこと。
咬み合わせに参加していない左右の親知らずも抜歯することになりました。
下あご
次に下あご。
まずは下の左右1番。
左右1番は、歯の中でいちばん歯周病が進んでいました。ハミガキするときに歯ブラシの圧で動くほどすっかりグラグラ…
もともとこの2本の歯は、クリーニングしてもすぐに着色したり、歯石もがっつり付いていたりと、やはり重なって生えている歯はメンテナンスが行き届きませんね。
すでにかなりグラグラの左右1番は矯正に耐えられないということで、残念ながら抜歯することになりました。
そして左の親知らずも抜歯することに。
左の親知らずは上に向かって生えているものの、完全には顔を出していませんでした。そのせいか、親知らずに被さっている歯茎のあたりが時々腫れてジンジンしていましたね…若いうちにさっさと抜きゃよかったw
ちなみに右の親知らずは抜かないことになりました。
ご覧のとおり右の奥歯(6番)は虫歯のせいで完全にダメになり抜歯済み。
この奥歯の不足を補うために、右の親知らずを咬み合わせに使うことになりました。