俺が重度の歯周病?!ってそもそもどんな病気だっけ?治療方法やその効果

47歳の秋、歯医者の先生に突然重度の歯周病と告げられました。

「歯周病と戦う歯ミガキ用ジェル」「歯周病予防のための歯ブラシ」なんてデンタルケア製品、テレビのCMで良く見ますよね。

でもなぜか別世界・・・、自分には無関係・・・なワードだと思っていた歯周病。

それがある日突然…

この記事では、

  • そもそも歯周病ってどんな病気なのか
  • 重度の歯周病と診断されたアラフィフ男の症状
  • 私が受けた歯周病の治療
  • 治療した効果

をお話します。

そもそも歯周病ってどんな病気だっけ?

歯周病とはどんな病気?
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。

歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し歯肉の辺縁が炎症を起こして赤くなったり、腫れたりしますが痛みはほとんどの場合ありません。

さらに進行すると膿がでたり歯が動揺してきて、最後には歯を抜かなければならなくなってしまいます。

日本臨床歯周病学会

色々なメディアと通して見たり聞いたりする歯周病という言葉。

何の根拠もなく自分とは別世界・・・の話だと思っていた私ですので、どんな病気なのか実はあまり良く知りませんでしたw

日本臨床歯周病学会によると、30歳以上の成人の約80%がかかっていると言われる歯周病。

それって大人のほぼ全員じゃないですか。

歯周病にかかると、歯茎が下がってきて歯の根元が露出。そして実はその裏で、歯を支えている骨(歯槽骨しそうこつ)が溶けている。

支えを失った歯はグラグラになって最終的には抜けてしまう。

それが歯周病ということですね。

重度の歯周病と診断されたアラフィフ男の症状とは?

47歳の秋に奥歯のかぶせ物が取れ、何年振りが思い出せないほど久しぶりに歯医者に行った私が告げられた言葉。

「重度の歯周病です。このまま放置していると歯がどんどん抜けていきますよ」

振り返ってみれば、『それ明らかに歯周病でしょ!』という症状にまみれていましたw

  1. 歯ミガキの時に歯茎からよく血が出る
  2. 前歯の歯茎が目に見えて下がってきた
  3. 下の前歯がグラグラ動く!
  4. フロスがめっちゃ臭くなるw

1. 歯ミガキの時に歯茎からよく血が出る

重度の歯周病と診断されたアラフィフ男の一つ目の症状は、歯ミガキの時に歯茎からよく血が出る。

はい、典型的な歯周病の症状ですねw

歯ミガキの時に血が出る場所はだいたい決まっていて、八重歯などの歯が重なっているところが多かったです。

いつから症状が出ていたか思い出せませんが、30代後半ぐらいから出てたかも…

2. 前歯の歯茎が目に見えて下がってきた

重度の歯周病と診断されたアラフィフ男の2つ目の症状は、前歯の歯茎が目に見えて下がってきたこと。

いつだったか忘れてしまいましたが、ふと鏡で自分の歯を見たときに、

『あれ? なんか前歯が長くなったような…』

と感じました。

歯周病により歯茎が退縮したことで前歯の露出が増え、相対的に歯が長くなったように見えたんですね。

歯茎が下がったのは年のせいだろうとあまり深刻に考えずスルーしてしまったんですが、今思えば既にこの段階で歯周病がかなり進んでいたんでしょうね…

特に下の前歯はガッツリと歯石がついていたので(恥ずかしい…)、それほど歯茎が下がったようには見えませんでした。

しかし歯周病の治療で歯石を取ったら、歯石で隠れていた歯と歯茎の本当の境目が出現。

それまで目で見えていた以上に歯茎が後退していたことがわかり非常にショックでした…

3. 下の前歯がグラグラ動く!

重度の歯周病と診断されたアラフィフ男の3つ目の症状は、下の前歯がグラグラ動く!

私の下の前歯はヒドイ叢生そうせい(歯がデコボコに生えている)で、特に左右の1番の歯は歯周病重症度の最高ランク。

この2本の前歯、指で触るとちょっとグラグラ動いていたんですよね。

で、蓄積されていた歯石を取ったら、より一層グラグラに。

つまりこの2本の前歯は、少なからず歯石に支えられていたってことですねw

私の口腔衛生意識はもう全然ダメ…

4. フロスがめっちゃ臭くなるw

重度の歯周病と診断されたアラフィフ男の4つ目の症状は、フロスがめっちゃ臭くなるw

歯周病を宣告されてから、歯間ブラシやフロスを駆使してこれまで以上に歯ミガキに精を出すようになった私。

そして気づいたのは、通したフロスがめっちゃ臭くなる箇所が2か所あること。

しかも、夏場に生ごみが腐ったようなニオイに似たような、なんとも言えない悪臭…

いや、気づいていたんですよ。

新型コロナ感染拡大防止のためマスクを着用していましたが、食事などでマスクを外し、それをまた着けると、マスクにそのニオイが薄っすらと付いていることを…

いままで少なからず周りに悪臭を放っていたと思うと、もはや絶望しかありません。

歯周病の治療方法って?

重度の歯周病と診断され、当然『それ明らかに歯周病でしょ!』という症状にまみれていたアラフィフ男の私。

そこから歯周病との戦いが始まりました。

歯周病の治療はおおきく別けて、

  1. 歯周基本治療
  2. 外科治療

の2段階になります。

1. 歯周基本治療

私が歯周病と診断されてからこれまで受けた治療は、「歯周基本治療」と言われる歯石とりと歯ミガキ指導。

歯周病の原因は、歯に付着した細菌の塊である『歯垢』であり、歯垢を取り除かなければ、歯周病の進行を食い止めることは出来ません。そこで、治療では、大元の原因である歯垢や歯石を取り除く『歯周基本治療』に主眼をおきます。これは、患者さん自身がおこなう『セルフ・ケア(ブラッシング)』と、歯科医院でおこなう専門的な『プロフェッショナル・ケア』がセットになっています。

日本臨床歯周病学会

2. 歯周外科治療

もし歯周基本治療で改善されない・・・・場合は、次のステップとして歯周外科治療が必要とのこと。

歯肉の奥に溜まった汚れが歯周基本治療だけでは、取り除けない場合は、『歯周外科治療』を行います。

日本臨床歯周病学会

この外科治療で何をするかと言うと、歯茎を切ってめくり、歯の根っこのほうに付いている歯石を人の手で取るとのこと。

なんと恐ろしい治療法。

そして科学やIT技術がこれほどまで進化したにもかかわらず、非常に原始的な治療法。

それを聞いた私はすっかり怖くなり、もし外科治療が必要になった場合、自費診療にはなりますが外科治療の代わりに奥の歯石をレーザーで破壊するレーザー治療も選べる歯医者に転院しましたw

ただ私の場合は、

  • 幸い歯周基本治療(歯石除去と歯ミガキ)で症状が改善され落ち着いている
  • 歯並びが悪いのでレーザー治療での完全な歯石除去は難しい
  • もしレーザー治療するなら歯列矯正をしてメンテナンスが容易になった状態で

ということで、基本治療の次のステップはお預けになっています。

歯石とりって何すんの?

私が歯周病と診断されてからこれまで受けたのは「歯周基本治療」と言われる歯石とりと歯ミガキ指導。

ここでは実際に私が受けた歯石とりを体験談的にお話します。

スケーリング(すけーりんぐ)

歯についているプラーク(歯垢)と歯石をとることをスケーリング(歯石除去)といいます。

プラークが石灰化(唾液に含まれるカルシウムとリン酸によって石のように硬くなること)した歯石は、石灰化した時間が経つほど硬くなり、ブラッシングではなかなかとることができません。そうした歯石を、歯科医師・歯科衛生士など専門家に除去してもらうのがスケーリングです。

厚生労働省e-ヘルスネット

歯石とりは英語でスケーリング(Scaling)。歯石のほか、魚のウロコを削り落とすといった意味にも使われます。

そしてスケーラーという禍々まがまがしい形状をした金属の器具で歯石を落としていくわけですね。

私の場合は、歯科衛生士さんが超音波式のスケーラーを使う時と、大学病院の先生(医師)が来て完全に手作業で歯石とりをする時がありました。

超音波の機械を用いるのは、歯石が大量に付着している場合などに、短時間で効率よく歯石を取ることに適しています。歯と歯の間や、歯並びの悪いところ、深いポケット(歯肉に炎症が起きてて、歯と歯肉の間の溝が深くなったもの)の中には、歯石の取り残しが起きやすいため、手で取り除くスケーラーと併用するのが一般的です。

厚生労働省e-ヘルスネット

1. まずは目に見える歯石の除去

前に行ったのがいつだったか思い出せないほど歯医者がご無沙汰だった私。特に下の前歯の裏には、それはそれは大量の歯石が蓄積していました。ああ、恥ずかしい…

まずは超音波スケーラーで、目に見える歯石を何回かに分けて取ってもらいました。

溜まりに溜まった歯石、そしてデコボコの歯並びと、歯科衛生士さんも大変そうでしたね。

心の中では『げっ、最悪な患者に当たってしまったわ…』なんて思っていたかもしれません。いえ、ただの私の被害妄想ですw

超音波スケーラーは細かく振動しているわけですが、歯によってはその振動でツーンとした知覚過敏のような痛みを感じます。

なので治療中は、スケーラーが歯を移動するたびに『次は痛みが来るんじゃないか?』という恐怖で手に汗を握っていましたw

2. 次の歯茎の奥にある歯石の除去

目視できる歯石の除去がひととおり終わった後は、歯茎の中にある歯石の除去をしてもらいました。

重度の歯周病と診断された私なので、歯茎の奥(歯周ポケット)の中にもたっぷりと歯石が溜まっています。

事前の検査結果によると、私の歯周ポケットの深さは最長7mm超え。そこにスケーラーを突っ込んでガリガリと歯石を削り落とすわけです。ああ恐ろしい…

これは超音波でやる場合と、手作業でやる場合がありました。どういう使い分けなのかわかりませんでしたが。

で、手作業のほうは痛みをほとんど感じませんでした。超音波と違って機械的な振動がないからでしょうか。

そして手作業のほうは、歯石を落とすガリガリという音が体にリアルに伝わってきました。

先生が手に込めるチカラも相当強いですね。歯石はそれだけチカラを加えないと落ちないんだな~とあらためて感じた瞬間でした。

ちなみに『手作業はあまり痛くない』と言いましたが、歯周病が一番ひどい前歯の裏の歯石を取るときだけは「ここはかなり辛いだろうから…」と先生が麻酔をしてくれました。

歯石とりは1回だけでは終わらない

私のように歯石が溜まりに溜まった重度の歯周病の場合、歯石とりは1回だけでは終わらないそうです。

ここまでお話したとおり、最初は目に見えている歯石を除去。

歯周病に侵されている歯茎はブヨブヨに腫れていますが、その原因となっている歯石を除去すると、腫れが治まって歯茎が引き締まってきます。

歯茎が引き締まると、腫れた歯茎に隠れていた歯石が顔を出すので、今度はそれを除去するわけですね。

で、表に出ている歯石を取れるだけとったところで、歯茎の奥(歯周ポケット内)の歯石除去に進みます。

ですので、私のように『前回いつ歯医者に行ったのか思い出せない』という口腔衛生意識の低い人はw、歯石とりだけで10数回歯医者に通う覚悟が必要です。

歯周病治療の効果

重度の歯周病を宣告されてから、がんばって歯医者に通い治療を受けたアラフィフ男の私。

まあ、がんばったのは先生と歯科衛生士さんですけど。

私が受けたのは歯周基本治療(歯石除去と歯ミガキ指導)ですが、それに加えて歯列矯正のために歯を8本抜いています。

そのため、ここでお話する治療効果には、抜歯の効果も含まれていることをご了承ください。

  1. 歯茎から血が出なくなった
  2. 歯茎が引き締まった
  3. 臭くなくなったw
  4. 歯ミガキがしやすくなった

1. 歯茎から血が出なくなった

歯周病の治療後に私が感じた効果の一つ目は、歯茎から血が出なくなったこと。

歯ミガキの時に毎回といって良いほど歯茎から血が出ていた私ですが、歯石とりが終わってからは全く血が出なくなりました。

血が出るのが普通になっていた私にとってはすごい変化です。

2. 歯茎が引き締まった

歯周病の治療後に私が感じた効果の2つ目は、歯茎が引き締まったこと。

治療前は、歯茎が全体的に『腫れています!』と主張しているような濃い赤というか紫というか、そんな色。そしてやはりちょっとブヨブヨしか感じがありました。

それが治療後は、ピンクとまではいきませんが色が薄くなり、ブヨブヨ感も無くなりましたね。

その一方、歯茎が引き締まったことで特に前歯の歯茎が下がって、歯の露出部分が増えることで相対的に歯が長く見えるようになってしまいました。

そして、歯と歯の間の空間、いわゆるブラックトライアングルが目立つようになりました。

まあこれが本来の私の姿。今までは歯石と歯茎の腫れで隠されていた部分があらわになったということですね。

3. 臭くなくなったw

歯周病の治療後に私が感じた効果の3つ目は、臭くなくなったことw

フロスを通すと、夏場に生ごみが腐ったようなニオイwがフロスに付いていた私。マスクにも薄っすらとそのニオイが付いているという絶望的な状況でした。

しかし治療後はニオイの自覚症状が消え、マスクもまるで爽やかな風のようです。

ただしこれは歯石とりだけでなく、フロスを通したときに悪臭が付く箇所の歯を抜いたことによる効果も大きいと思います。

特に歯が重なって生えている箇所はスケーラーでの歯石除去に限界があるそうで、歯石とりの後もニオイは残っていました。

そのニオイが、抜歯した後はすっかり消えましたので、やはり歯を抜いたことでニオイの原因が除去されたと考えるのが正しいでしょう。

抜歯前(オレンジが臭かった箇所)
抜歯したらオレンジ部分のニオイが消えた!

4. 歯ミガキがしやすくなった

これは重なっている歯や親知らずを抜歯したことによる効果なのですが、歯ミガキがしやすくなりました

歯が重なっているとメンテナンスに手間と時間がかかりますし、親知らずは口の一番奥に生えているので歯ミガキしにくいですよね。

ですので、物理的にこういった歯が無くなったおかげで、めちゃくちゃ歯ミガキが楽になりました。

歯並びが良い人って、こんなに楽な歯みがき人生を送っているんだなと実感。

これは抜歯による効果であって、歯石除去といった基本治療の範囲を超えますが、自分的には革命的ともいえる出来事だったので話に含めさせていただきました。